人間的成長に関連して

みなさん、こんにちは。鑑 樹一(かがみ みきひと)です。ここでは、コーチングや教育のことについて考えたことを書いています。
予想外に多くの方に読んでいただき、大変うれしく思っています。心より感謝申し上げます。
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学校でクラブ顧問していると、よくこんなことが起こります。


「先生、2年生が勝手なことばっかりやって、私たち3年生がとても困ってるんです」


「どんなことがあったの」


「部長の私が指示しても、最初は指示どおりするけど、途中からは関係ないことやったりして。注意したら、横向いて返事もしないんですよ」


よくある日常の光景です。


こんな時どうするか。私は相手の状況によって対応を変えていきます。


訴えてきた3年生の部長がまだ人として成長が未熟な場合なら、


「そうなんだ、それは大変だね。困ったね。じゃあ、先生も入って2年生と3年生とで話をしてみようか」


みたいな対応をしていきます。


訴えてきた3年生の部長と私の信頼関係が深く、また部長が人として力が育ってきている場合なら


「それは私に相談することだろうか」というように返します。


場合によっては
「誰のせいや!」と非常に厳しく突き放すこともあります。


繰り返しますが、こういう対応は、自分で対処する力があると考えられる生徒の場合の返し方です。


力のない子にこれをやると、もちろん問題はぐちゃぐちゃになるし、私と部長との信頼関係も崩壊していきます。


したがって、こういう指導は相手の人間力や、また私との信頼関係の状況により、対応を変えていくことが大事になるのではないかと思います。



一つ話をします。


私が運動部の顧問をしているときのことです。


夏休み中に普通の教室をお借りして、更衣室にしていました。


日数がたつにつれて、相当使い方がひどくなって、部屋の中はぐちゃぐちゃになっていたようです。


たまたま、その教室のクラス担任の先生が教室を見られて驚かれました。


私のところへ来て、大変厳しく私に苦情を述べられました。


私自身、清掃や整理整頓が不得意でもあり、その点について生徒に厳しく言っておらず、自分自身反省する部分も多く、その先生に心から謝りました。ただ一方では、心の奥底に生徒に対する怒りの感情も強くありました。


そして、どう生徒に指導しようかと考えました。


「くそ、俺に恥かかせやがって」


この思いが頭をかけめぐります。正直、最初は、生徒を思いっきり叱りつけてやろうとか思っている自分がいました。


「でも、自分も本当悪かったな」


思いが交錯します。


しかし、少し時間たつと、自分自身その点を全く指導してきておらず、こういう結果を導いたのは私の責任が大きいという思いが怒りよりも強くなってきました。


実際には、こんな対応をしました。


部員全体を集めて、事実をたんたんと話して、これはよくないことであるとも話をしました。また、部の責任者である私の責任が一番重いとも話しました。部員を厳しく叱責するようなこともしませんでした。


そして、部員たちには、練習するように指示し、その教室の清掃を、私と部長と副部長と3人で2時間くらいかけて行いました。


何もいいませんでした。黙々と3人で掃除しました。


ただ、それだけです。


この指導が、よかったのかどうかはわかりません。


ただ、この件があった後
上級生の意識が上がり、部全体の空気が変わったように私には感じられました。