一歩踏み出すことの価値

その日は寒かったです。凍てつくような寒さ。でも、教室の中は熱気いっぱいでした。聞こえてくるのは、紙がすれる音とペンの音だけ。


「負けるもんか!負けるもんか!」
この春大学受験に失敗した僕は予備校に通っていた。なかなか思うように成績が伸びない。家は豊かではないのだが、70万円以上の予備校代を両親に出してもらっていた。


「次こそは絶対に受からないと・・・・」
崖っぷちに僕は立っていた。
「絶対に負けるもんか!」
夜はだんだん更けていくが、教室のみんなと同じように真剣に机に向かった。


これは、30年以上前の僕の話です。予備校が行った年末から正月にかけての学習合宿の時のことです。
今でいうセンター試験の直前、本当私は相当追い込まれて、この合宿に参加していました。



さて、今みなさんは、高1から高2に変わるこの春休みに、学習合宿に参加されました。
私は、追い込まれて追い込まれて、合宿に参加しましたが、皆さん方はそうではありません。


この余裕のある時期に、のんびりするという選択肢を捨てて、学習一辺倒のこの合宿に参加されました。


もしかしたら、友達に誘われてのことかもしれません。あるいは、保護者の方や先生の勧めかもしれません。


しかし、最後に行くと決断したのは一体だれでしょう。それは紛れもなく、あなた自身ですよね。嫌なら断ることもできたのに、最後の決断を行ったのは、そう、あなた自身なんですね。


すごいですね。本当すばらしいですね。その決断をして一歩前に歩みを進めたからこそ、今あなたはここにいるんですよね。


私は、その一歩に心から敬意を表したいと思います。


さあ、一歩踏み出して、この合宿参加した以上、この合宿をぜひ価値あるものにしていっていただきたいと思います。


この二泊三日の合宿、一体どれほどのコマ数があるのでしょう。すごい数ですよね。大変ですよね。でも、そこにみなさんはチャレンジされるのですよね。


そのチャレンジを終えた時に、皆さんは一体何を手に入れているのでしょう。


集中力は?
持続力は?
達成感は?
普段と違う仲間との出会いは?
色んな仲間との共に過ごした経験は?
自分で自分を見つめる目は?
友達や先生方のあなたを見つめる目は?
・・・・・・


一体どう変化していくんでしょうか?


もちろん、学力は身に着くけれども、その他にもいっぱい、本当にいっぱい、いろんなものが手に入るんですよね。是非いーーっぱいの財産をつくって持って帰っていただきたいと思います。


そして後のち、


「あの春休みの合宿から、私本気になったんだよねー!」
「あの合宿でNちゃんと出会ったから、その後一緒にがんばってこれたんだよねー!」
「あの合宿で、勉強って案外面白いことにきづいたんだよねー!」
 ・・・・・・・・・・
「そう、あの春の合宿だったんだよねー!」


というような感じになるように、この後につなげていってほしいと思います。
今、私の話に真剣に耳を傾けるみなさんの眼差しをみて、
私はきっとそうなると確信しています。


どうぞ、しっかりがんばってくださいね。

リーダーシップ 信頼が土台


ずっと信頼について話をしてきていますね。今日は信頼の土台について話をしたいと思います。


三つほど例をだしましょう


日産を率いて素晴らしい業績をたたき出したゴーン会長


高校野球の時代からスターで西武・巨人で大活躍した清原選手


ジャニーズのTOKIOのメンバーとして輝いていた山口達也さん


どういう風になったか・・・・・みなさんご存じですよね。
三人とも、すごい活躍をしてきていたのに・・・・・・・大きく信頼を失ってしまいました。



リーダーシップを発揮するためには、支持してくれる人、応援してくれる人、ついてきてくれる人が必要です。いくら自分がリーダーと、自分でいっていても、そういう人たちがいなければリーダーシップは発揮できないのです。


上にあげた3人の人物は様々な魅力のあるすぐれた人たちです。そういう能力の高い人たちでも、一瞬にしてリーダーシップの力を失うことがあるのです。それはどういうときかというと、リーダーシップの土台である、人間性とか人格、品格といったものが崩れ、信用されなくなった時に起こるのです。


いくら能力があっても、この土台が崩れてしまうと、信頼されずリーダーシップを発揮することができません。いくら正しいことをいっても、信用されないことも多くなってきます。あるいは正しいことを認めても、支持してもらえないことさえおこってきます。


「あの子がいうことは正しいのだけれども、あの子がいうからやりたくない」なんてことはしょっちゅうおこっていることです。



だからリーダーシップの土台である人間性、人格などをしっかりさせておく必要があるのです。


人の悪口をいっていないか。    自分の言葉に一貫性があるか。


謙虚であるか。          自分の得になることばかりおいかけていないか。


約束を守っているか。       嘘をついていないか。


人を助けているか。        みんなのために・・・・・という動きをしているか。



自分自身のリーダーシップの土台を各自点検してみてください。


さて、しばらく前に外国でウエイタールールという言葉があるのを知りました。お金を払ってサービスをしてもらうウエイターさんに対してどんな態度をとるのか。丁寧に親切に接するのか、それともお金払っているのだからといって、傲慢に横柄に接すのか?そこでその人の人格を判断するというものです。


あなたはどっちのグループに属しますか。



「王子様には王子様らしく、囚人には囚人らしく」ではなく、


「すべての人に人間らしく」接する姿勢をもちたいものです。