コーチングの手法 頭の中で体験する

みなさん、こんにちは。鑑 樹一(かがみ みきひと)です。ここでは、コーチングや教育のことについて考えたことを書いています。
予想外に多くの方に読んでいただき、大変うれしく思っています。心より感謝申し上げます。
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「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」


前もだしましたよね。世の中で大変よく知られている言葉です。


本当にそうだろうなって思います。そして私は、これを少し変形させて使っています。


それは、「感情が変われば、行動が変わる」というものです。


そして、そのまえに「体験をすれば感情が変わる」っていう言葉をつけています。だから、自分を変えていこうと思ったら、体験をすることがとても大事だと思います。


だから
「体験をすれば感情が変わる」そして「感情が変われば、行動が変わる」っていうことです。


「友達に誘われて茶道の体験いったら、おもしろくって、結局のめり込んで10年後には茶道の先生になってそれで生活しているんですよ。自分でも不思議で」


「東南アジア各地を回る旅行に夫婦で参加したら、マレーシアを妻が超気に入っちゃって、定年後にマレーシアで二人で暮らしてるんですよ」


まさに体験することによって、感情が変化し、そして考えも変わって、行動も変わるっていう感じですよね。


ということは、行動を変えるためには、体験をするって事が重要なことがわかりますよね。






コーチングにおいても、この原理を用い、行動の変化を促すという方法をよく用います。


人間は生まれてから、ずっと膨大な体験の量を蓄積しています。実際に自分が体験してこと、見たこと、聞いたこと、読んだこと・・・・・・・


それを、私は体験の超高層タワーマンションのようにイメージしています。本当に、どれだけ高いのかわかりません。高いところはもう肉眼では見えないという感じです。


仮にAさんとしましょう。


Aさんは、その超タワーマンションの1階のフロアーぶちぬいた広い部屋で生活しています。


Aさんは、何か刺激をうけるとその部屋においてある体験に即座にコミットして現実の生活の中で対応していきます。ここにおいてある体験は、非常にインパクトの強いものたちが並んでいます。




Aさんは、中堅企業の中でコンサルテイング部門でバリバリ働いています。好結果をいっぱいだして、あっちこっちから「独立したらいいんじゃないの」っていう声を聞いてきます。


Aさん自身も
「独立してもやっていけそうな気がする。独立してうまくいったら、年収は今の5倍いや10倍以上とれるかも・・・・」と思ったりもしています。


しかし、一方でこんな考えも浮かんできます。
「あの時みたいに失敗したら・・・どうしよう!せっかく今安定した生活があるのに。そんな危険をおかす必要ないんじゃないか」というものです。


Aさん自身、このまま会社に残るのか、それとも独立すべきか・・・・悩んでいるのです。



実はAさんは、大学卒業して仲間とベンチャー企業たちあげたのですが、大失敗して一千万円をこえる借金をつくってしまったのです。


その後、死ぬような思いをしながらたくさんの仕事をかけもちし、何とか借金を返し、そして運良く今の会社に就職でき、現ポジションまでやってきたのです。


この苦しかった体験が、超高層マンションの1階位のフロアーにどーんと大きくおかれています。


Aさんは、いつもこの体験を思い出して、思い切った決断に対しては躊躇するという傾向が強くなっています。



Aさんとのコーチングではこんなこともやってみました。


鑑 「Aさん、自分の過去を振り返って、勇気を振り絞ったっていう体験があれば教えて  
   
ください」


考え込むAさん


Aさん 「ああ、そういえば小学校2年生のとき、仲のいい友達がいじめられていて・・・
     3人に囲まれて悪口いわれていて・・・そのうちの一人が体の大きいやんちゃ   


     な奴で・・・・


     どうしようかどうしようか・・・て迷ってたんだけど、あいつが怖くって


     でも友達がかわいそうで・・・そしてついに勇気を出して大声だしてそこに


     行ったんです」


鑑    「そのときのことをもっと詳しく教えてください・・」


こんな風に、この話に入っていって、そのときの感情にどっぷり浸かってもらいます。


鑑    「その時、恐怖を感じながらも、それを乗り越えて、3人に立ち向かって大声
      出した自分をどう思いますか?」


Aさん   「いやー自分ながら、本当に勇気ふりしぼったなと思います」


鑑     「じゃあ、その他も勇気の体験ありますか?」


    というような具合でいろいろ聞いていきます。


小2の時の体験の1015号室、
大学の時理不尽な居酒屋の店長に文句を言った体験は2037号室
・・・・・・・



いつも1階で生活しているAさんに、もう普段は思い出さないような勇気体験の部屋にいっぱい入ってもらって、そのときの感覚を体に感じてもらいます。


まるで、もう一度体験しているかのように。


コーチングで、どこにも行くことなしに、強く体験を味わってもらうのです。




「体験することによって、感情が変化し、そして考えも変わって、行動も変わる」




まさに、これを狙っているのです。


Aさんは、コーチングセッション受ける前と受けたあとでどのような変化が起こるでしょう。


もう書く必要ありませんよね。その通りです。


これは、セルフコーチングでもできますが、実際のコーチングの方が、深く体験できる分、効果も大きいのではないかと考えています。


今日も読んでいただいて、どうもありがとうございます。