コミュニケーションの大原則

みなさん、こんにちは。鑑 樹一(かがみ みきひと)です。ここでは、コーチングや教育のことについて考えたことを書いています。
予想外に多くの方に読んでいただき、大変うれしく思っています。心より感謝申し上げます。
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Nさんからの相談です。




「鑑さん、相談にのってください。この前社長に呼ばれたんですよ」「で、こう言われたんですよ。『N君、この前君のチームの朝礼を見たよ。なるほど、君のチームの結果が伸びないのが分かったような気がしたよ。一度、S君のチームの朝礼を見に行くといいよ』って」(Nさん)


「そうなんですか。それで行かれたんですか」(鑑)


「なんか、ああ言われたのはショックでして。言われた以上は見に行かないとと思って、Sさんの許可を得て見せてもらったんですよ」(Nさん)


「なんか気づきはありましたか」(鑑)


「それが、もう全然違うんですよ!立って朝礼してるんだけど、Sさんを中心に、とっても近くにみんなが集まって、みんな顔上がってて。それで、またいい表情してるんですよ。時折笑ったりなんかして。そしてみんが生き生き話すんですよ。・・・・で、Sさんが話すと、みんなまっすぐSさんの方をしっかり見つめてるんですよ」(Nさん)


「そうなんですか。いい感じですね。それで、Nさんのチームの朝礼はいかがなんですか」(鑑)


「それが・・・だいたい、みんな自分の机から離れないし・・・近づいてきやしないんですねよ。目を落としている人や、人によってはこっちに背中が向いてたりしてね・・比べてみて本当驚きましたよ。僕がしゃべってもメンバーの反応は薄いですしね・・」(Nさん)


「で、どう考えられたんですか」(Nさん)


「どうって・・・さえない朝礼やってるなーって。今までそれが普通だと思ってたんですが、Sさんの朝礼見て・・・情けなくなって。社長がああいうのもしょうがないのかあって」(Nさん)


「なるほど、じゃあSさんのチームのような朝礼ができればいいなあってお考えなのでしょうか」(鑑)


「そうなんですよ。でも一体どうしたらいいのか・・・それが、全然わからなくて。だから困って相談に来たんですよ」(Nさん)


「じゃあ、今日はコーチングではなくて私のアドバイスがほしいってことでしょうか」(鑑)


「そう、そうなんです。どうすればいいか教えていただきたいんです」(Nさん)


「わかりました。お役にたてるかどうかわかりませんが、思うことをお話ししましょう」
「Nさんは、メンバーからプライベートな質問受けることありますか。家庭のこととか、趣味のこととか」(鑑)


「それは、ほとんどないでですね」(Nさん)


「じゃあメンバーの方から、ランチの誘いとか、飲み会の誘いとかありますか」(鑑)


「ランチはないですね。飲み会は誰かが部署変わる時とか、退職する時くらいかな」(Nさん)


「Nさんは、自分の方からメンバーの机の方へ行って、いろいろ話したりするほうですか」(鑑)


「いや、用があれば呼んで、話すようにしています」(Nさん)


「メンバー方がNさんのところに話に来られたとき、Nさんはパソコンから目を離し、体をメンバーの方へしっかり向けて話を聞かれますか」(鑑)


「それは・・・・できている時と・・・、大事な仕事の時には、パソコンに向かいながら話す時もありますかね・・いや、そっちの方が多いかな」(Nさん)


「ここまで話してみて、どんな感じですか」(鑑)


「僕のメンバーへの接し方に、いろいろ課題があるのが分かったような気がします」(Nさん)


「そうですか。じゃあ、そこが改善していけるといいですね」(鑑)


「そうなんですが・・・具体的は何をすればいいのか・・・」(Nさん)



「それじゃ、課題を出してもいいですか。メンバーは何人でしたっけ」(鑑)


「12人です」(Nさん)


「それじゃ、明後日Nさんとは会う予定になっているので・・・明後日までに先ずはメンバー3人について、次のことを調べて書いてください」(鑑)


「それじゃ、いいますね。メモお願いします」(鑑)
     

〇メンバーの長所 五つ以上!〇メンバーが、メンバーになって以来成長をみせた点  五つ以上!〇メンバーと雑談し、得た情報 できるだけたくさん!好きな食べ物、趣味、家族のこと、学生時代のこと、子どもの頃のことなど、以上です



 「これを明後日までに書いてきてください。少し時間をとって・・・・・1対1でミーテイングを行うといいですね。今、流行りじゃないですか」(鑑)


「そうですね。ミーテイングなら話できそうです」(Nさん)


「良かった。それからミーテイングについてですが・・・・」(鑑)


「Nさんが話す部分は、できるだけ短くしてください。とる時間の7割から8割はメンバーの方に話してもらうようにしてくださいね」(鑑)


「それからNさんも、自分から・・・自分のこと、そうですね、仕事の失敗談、自分の悩み、家族のこと、昔のことなど・・話してみて、そして相手の話を聞くようにしてください。ただし、自分の話は決して長くならないようにしてください。絶対ですよ。それからメンバーの話の腰を絶対に、絶対に折ってはいけませんよ。いいですか。もう一度言います。絶対の絶対ですよ」(鑑)


「わかりました」(Nさん)


「それからAKAとEUAKを実行するようにしてください」(鑑)


「何ですか。それ。ダイゴさんみたいですね」(Nさん)


「私が勝手に考えた、人間社会をうまく生きる普遍の原則ですよ(笑)」(鑑)


「AKEAっていうのは、A‐歩みよる、K‐高音、E‐笑顔、A‐挨拶、つまり 近づいて行って高い声で、そして挨拶するってことです。もちろん自分からですよ」(鑑)
       
「それから、UAKっていうのは、U‐嬉しい、A‐ありがとう、K‐感謝します、ってこと」(鑑)


「このUAKを言うためには努力が必要です」(鑑)


「とにかくメンバーのいいところ、がんばってくれているところをしっかり見つけなかれば、UAKはできません。だから、本当、刑事とか猟犬のような感覚で、常にいいところを探すのです、そこが大事です」(鑑)


「がんばってやってみます」(Nさん)


「AKEAを繰り返し、UAKが頻繁に言えるようになった時には、Nさんのメンバーを見る眼が今までとは全く違ったものになります」(鑑)
      
「メンバーひとりひとりがキラキラ光った存在にみえることでしょう」(鑑)


「そしてAKEAとUAKをいっぱいもらったメンバーのNさんを見る眼もどんどん変わっていくでしょう。コミュニ―ケーションがきっと楽しくなりますよ」(鑑)


「そんなもんですかね。なんかワクワクしてきましたね。是非やっていこうと思います」(Nさん)


「挨拶ですけど・・・・高い明るい声でね。私もいろいろ挨拶の実験をしてみたんですが、同じ大きさの音でも、低いトーンの音より高い音の方が断然相手に響きます」(鑑)


「昔学校で、廊下ですれ違う生徒全員にまるで登山道のように、挨拶をくりかえしてたんですが、もう高くて明るい声、それに笑顔があったとき・・・その時の挨拶が最高に伝わりますよ。これはもう間違いありません。実験済みです」(鑑)


「わかりました。AKEAとUAKがんばってやってみますね」(Nさん)


「最初はみんなに怪訝に思われるかもしれませんね。なんなら、メンバーに正直に今までの自分のコミュニケーションには問題があったって、謝ってから始めるっていう手もありますね。もちろん勇気はいりますが」(鑑)


「そうですね。でも、自分を変えるいいきっかけになると思います。メンバーに伝えて、そう謝ってから実践していきたいと思います」(Nさん)


「明後日会えるの楽しみにしています。宿題忘れないようにしてくださいね」(鑑)


「あ、はい。鑑さん、今日は本当にいろいろありがとうございました」(Nさん)


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